【高台寺】ねねの寺。ライトアップがきれい

◎豊臣秀吉の妻・ねねが秀吉を弔い養母と自らの墓として開いた寺。
◎茶を好んだねねが茶会を開いていたと考えられる茶室「傘亭」「時雨亭」がみどころ。
◎「高台寺蒔絵」は斬新で華麗な蒔絵がほどこされた調度品。
◎平成元年からの一般公開仕様に修復。観光客フレンドリーな寺院。

ゆかりの人物:ねね、豊臣秀吉、三江紹益(ねねの意を継ぐ住職)
創建:江戸時代

高台寺は豊臣秀吉の妻・ねねが秀吉を弔い養母と自らの墓として開いた寺


高台寺(こうだいじ)が創建されたのは、秀吉が死去し豊臣家が滅ぶ時期。

ねね徳川家康
1598秀吉死去(62)
1600関ケ原の戦い勝利
1603高台院に江戸幕府開く
1606高台寺創建サポート
1615豊臣家滅亡
1616死去(75)
1624曹洞宗から臨済宗へ改宗
1624死去(76)

高台寺は秀吉の霊が祀られている「豊国社」から徒歩約20分のところに建てられた。

高台寺創建には徳川家康の強い援助があった。
この時期、高台院との親密さを世間に示すことは他勢力を牽制する効果があったからだ。

ライトアップが美しい

高台寺は、春は桜、秋は紅葉のライトアップが観光名所となっている。

高台寺はまさに見せるために整備されている。
一般公開がはじめられたのは平成元(1989)年から。

それまでは自然のままになっていたところを大規模に修復し、木々、庭園、池、歩道などを拝観用に整えた。

1981年には、NHK大河ドラマでねねを主役とした「おんな太閤記」が放送されヒットした。
作は橋田寿賀子、主演のねねは佐久間良子、秀吉は西田敏行が演じた。
1989年には徳川家光の乳母を描いた「春日局」が放送された。作はおなじく橋田寿賀子、主演は大原麗子。
戦国時代の女性のブームとロマンチックなライトアップがマッチし、女性が多く訪れるようになったといえそうだ。

ライトアップ用のライトがそこここに。

ねねの好んだ茶室

秀吉は茶の湯に入れ込んだ。
ねねもまた茶を好んだ。

高台寺には、茶室が5軒ある。
そのうち2軒が重要文化財に指定されている。

傘亭(かさてい)

高台寺パンフレットより

時雨亭(しぐれてい)

傘亭と時雨亭はもとはセットで安閑窟(あんかんくつ)とよばれていたが、形状から傘亭と、対する時雨亭とよばれるようになった。

傘亭は、中から天上を見上げると広げた傘にようにみえる。

時雨亭は二階建てと茶室としては珍しい。
傘亭と時雨亭は屋根付きの廊下でつながれている。

観月台と偃月池・臥龍池

高台寺庭園には観月台がある。

秀吉が生前愛していたという。
月見台の左右に二つの池、偃月池(えんげつち)・臥龍池(がりょうち)があり、庭園はここが中心となる。

高台寺蒔絵

ねねと秀吉が祀られている霊屋(おたまや)の内部はきらびやかに装飾されている。
黒の漆をベースに金の蒔絵がふんだんにほどこされている。

また、化粧道具、飲食器など多くの調度品も蒔絵で飾られていて、これらは合わせて高台寺蒔絵とよばれる。

金ぴか好みの秀吉の名残を感じる。

高台寺蒔絵の調度品は、高台寺に併設されている掌(しょう)美術館でみることができる。

高台寺、名前の由来

秀吉の妻の名前は「ねね」だ。
摂政・関白の正室を北政所というため、「北政所」ともよばれる。

ねねは養母の死をきっかけに、養母の霊と寺で暮らしその寺を自らの墓にしようと、寺の創建を決意した。

ねねは、1603年に後陽成天皇に院号をつけてもらいたいと願い「高台院」の院号をあたえられ、創建した寺の名前を「高台寺」とした。

高台寺の霊屋(おたまや)の坐像の下には高台院の遺霊が土饅頭のなかに収められている。

高台寺は曹洞宗から臨済宗に改宗した。

創建された当時、高台寺は曹洞宗の寺であった。
曹洞宗の住職が何代か続いたがなかなか定着しなかった。

高台院は自らの死が近づくにつれ、優秀な僧を迎えたいと考えた。
高台院の兄・木下定家が懇意にしている僧に、建仁寺の三江紹益(さんえしょうえき)がいた。
木下定家の息子も三江紹益の弟子僧であった。

そこで三江紹益が熱望されたが、建仁寺は臨済宗で三江紹益は臨済宗の僧であった。

曹洞宗と臨済宗はおなじ禅宗であっても、別の宗であり、宗を変えることはかなりの難題であったが高台院が強力に推し進め、結果幕府から認められることとなった。

以後、高台寺は建仁寺の末寺となり守られていく。


重要文化財

霊屋
傘亭
時雨亭
開山堂
観月台
高台寺蒔絵 花筏[はないかだ]
高台寺蒔絵 秋草蒔絵天目台
高台寺蒔絵 楓桐菊蒔絵薬味壷
高台寺蒔絵 秋草蒔絵歌書箪笥

国指定名勝

庭園

宗派

臨済宗

日本のおもな宗派

密教系天台宗
真言宗
浄土宗系浄土宗
浄土真宗
日蓮宗
禅宗系臨済宗
曹洞宗
黄檗宗

高台寺ホームページ

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