【大原 実光院】三十六誌仙がある。

◎勝林院の子院
◎普賢院と理覚院の二つが合併して作られた。
◎それぞれ由来の庭がある。

創建:平安時代

実光院は大原寺院群の一つ

京都大原は古くから朝廷とゆかりがあり、比叡山延暦寺の影響をうけてひらけた場所。
平安時代中期、藤原道長が権力をもち、源氏・平氏が台頭するなど、飢饉や戦で国は荒れていた。
その折、延暦寺の僧は俗化し、仏法守護を名目に武装し戦闘に従事するようにさえなっていた。

それに疑問を抱いた僧たちは、大原に移り修行に打ち込み、多くの寺院が建つようになった。
最初に建造された寺院が勝林院。
実光院(じっこういん)は、勝林院の住職の住まいとして普賢院と理覚院を合併した建てられた。

勝林院の住まいとしての寺院には他に大原 法泉院もある。

大原 実光院のみどころ

実光院の三十六誌仙

三十六誌仙(さんじゅうろくしせん)が客殿に掲げられている。
中国の漢から宋の時代に至るまでの歴代の詩人36人の和歌と肖像画が描かれたもの。

三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)という平安時代の公家で歌人の藤原公任が選んだ36人の日本の歌人による和歌があるが、実光院の三十六詩仙は詩仙堂のものと同様という。
詩仙堂の三十六歌仙は、詩仙堂を開いた石川丈山が好みに合った中国の有名な詩人、李白、杜甫など漢晋唐宋時代の詩人を36人選定したもので、肖像画は狩野探幽が描いた。

編鐘(へんしょう)、磬石(けいせき)

編鐘は声明(お経に音曲をつけて歌う。大原がその中心地。)の音律の基準音を定める楽器。
磬石は声明を練習するための楽器。

客殿

三十六歌仙が掲げられている。
編鐘、磬石が置かれている。
建物は江戸時代に再建された。

大原 実光院の庭園

実光院には庭が二つある。
実光院はもともと普賢院と理覚院が合わさって普賢院のあった場所に作られた寺であるためだ。

契心園(けいしんえん)

旧普賢院以来の池。
江戸時代に作庭された池泉鑑賞式。
築山の松は鶴を、池の島は亀を表現している。

旧理覚院(りかくいん)庭園

旧理覚院の庭。
回遊式庭園。
中央にひょうたん池がある。周囲の山を借景としており庭木は低い。

茶室「理覚庵」

旧理覚院庭園内にある。
1975(昭和50)年に建てられた。

宗派

天台宗

日本のおもな宗派

密教系天台宗
真言宗
浄土宗系浄土宗
浄土真宗
日蓮宗
禅宗系臨済宗
曹洞宗
黄檗宗

実光院ホームページ

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