◎古い→京都最古の神社
◎広い→境内は松尾山を含む約12万坪。
◎お酒の神様→「日本第一酒造神」
◎聖獣の亀がそこここに。
◎昭和の名作庭家=重森三玲の庭がある。
ゆかりの人物:秦氏(開拓)
創建:太古
松尾大社は京都で一番古い神社
もともとは、太古の昔に住民が松尾山山頂に近い大きな岩を神が宿る岩として守護神としたところから。
5世紀にこの一帯に秦氏の大集団が渡来し、開拓した。
松尾山の神は大山咋神(おおやまいくのかみ)で、秦氏が一族の総氏神として祀ったのが松尾大社の始まりという。
その岩は現在もその場所に「磐座」として祀られている。
「磐座」は現在、山崩れの影響で参拝できない。

鳥居の向こうに見える松尾山
大山咋神は松尾大社の御祭神
松尾大社の御祭神は大山咋神と市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。
大山咋神は松尾山の神。
市杵島姫命は海の神で、秦氏が朝鮮半島との往来の安全を祈念して祀られたといわれる。
松尾大社は京都・西の守り神
京都で古くから続く由緒ある神社に、下鴨神社・上賀茂神社がある。
平安時代以降、松尾大社と下鴨神社・上賀茂神社は朝廷の守護神となった。
下鴨神社・上賀茂神社は京都の東を守る厳神、松尾大社は西を守る猛霊とされる。
松尾の神はお酒の神様
秦氏は5世紀に朝廷に招かれ渡来し、京都南部(山城国)を本拠地とした。
秦氏は保津峡、桂川など水のインフラを整備した。
農業・産業が発展していくなか、酒造りも行われた。
酒造りは秦一族の特技だったという。
これにより松尾大社は「日本第一酒造神」としても仰がれる。
敷地内には「お酒の資料館」がある。
松尾大社の聖獣は亀
松尾大社は亀にまつわる逸話やスポットがある。
亀は龍・鳳凰・麒麟とならぶ四大聖獣とされる。
霊亀の滝
御手洗川(みたらしがわ)から落ちる涸れない滝。
ここで珍しい亀がみつかったことがきっかけで、奈良時代の新しい元号「霊亀」が生まれたのだ。
奈良時代の和同7(714)年この滝で、「首に三つの星、背に七つの星、前足に火の模様、尾が緑と金の混ざった色をもつ」24cmほどの亀が見つかった。
珍しいので朝廷に持ち込むと、縁起がよいとして、翌年(715年)から年号が霊亀と改元された。
亀の井
霊泉。酒造家はこの水を酒の元水として使う。
延命長寿、よみがえりの水としても有名。
なで亀、幸運の鯉
松尾大社と亀のもう一つのエピソード。
大神様が保津川をさかのぼるとき、緩やかな流れは亀、急流は鯉にのって進んだといわれ、鯉もシンボルマークとなっている。
「幸運のなで亀」「幸運の双鯉」も設置されている。
松尾大社の重森三玲作庭の庭
重森三玲(しげもりみれい)は昭和を代表する作庭家。
日本の伝統美とモダンアートを融合させた庭づくりで有名。
松尾大社の庭は重森が亡くなる直前にてがけた。
様式とテーマを変えた複数の庭を作った。
上古の庭(じょうこのにわ)
古代の祭祀の場である松尾山の磐座を再現したもの。
御祭神と、ほか神々を石で表している。
とがった石は影向石(ようごうせき)とよばれ、松尾山の磐座をさしている。
重森は「自分は神の領域に踏み込んでその怒りに触れた」と話し作庭したという。
蓬莱の庭(ほうらいのにわ)
蓬莱は不老不死の仙人住む世界のこと。
この庭はその世界を表している。
全体が羽を広げた鶴の形となっている。
三玲のデザインを長男が完成させた。
曲水の庭(きょくすいのにわ)
平安時代の貴族が慣れ親しんだ詩歌・音楽などの遊びの場を表したもの。
四方どこから見ても美しく見える。
京都で見られる重森三玲の庭

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重要文化財
本殿
中門と回廊
奥に本殿がある。