【大原 寂光院】『平家物語』の舞台。建礼門院が住み、後白河法皇が訪れた

◎『平家物語』のヒロイン、建礼門院が余生をおくった。
◎後白河法皇が訪ねた。
◎天台宗の尼寺。
◎江戸時代、豊臣秀頼と母の淀君が再興した。

ゆかりの人物:建礼門院(けんれいもんいん)、後白河法皇
創建:飛鳥時代。平安時代説も。

『平家物語』のヒロイン、建礼門院が主役の寺院

寂光院(じゃっこういん)といえば建礼門院。そして後白河法皇だ。
『平家物語』のなかのお話で有名。
『平家物語』は平安時代末期の源氏と平家の戦いを舞台に平家の栄枯盛衰を描いた文学作品の軍記物語。

寂光院にまつわるエピソードはおおきく二つ。

建礼門院、寂光院へ

平安時代末期「壇の浦の戦い」。
源氏vs平家の戦いで、源氏が平氏を追い込んだ。

平清盛の娘で安徳天皇の母の平徳子(たいらのとくし)らは船で逃亡を試みるも、源氏に襲われ海に沈む。
安徳天皇は亡くなり平家は滅亡するが、徳子は助かる。
その後、徳子は尼・建礼門院となり寂光院に入り、平家一門の極楽往生を祈り続ける。

後白河法皇、寂光院へ建礼門院を訪ねる

後年、建礼門院が暮らす寂光院に後白河法皇が訪ねてくる〔「大原御幸(おおはらごこう)」〕。
建礼門院は後白河法皇に「六道語り」をする。自分は生きながらにして仏教の六道を体験したような波乱万丈の人生であったと。

2人はどういった人なのか。
どういった関係なのか。

建礼門院、後白河法皇

建礼門院は平清盛の娘。
建礼門院の名は後の名で、元の名前は平徳子(たいらのとくし)。

平徳子は後白河法皇の子・高倉天皇の后となる。
徳子と高倉天皇の間に生まれた子が安徳天皇。

平徳子にとって後白河法皇は義父。

義父だからといって仲良しだったわけではない。

権力を争う、平清盛と後白河法皇の力関係に翻弄され、味方だったり敵だったりの関係だ。

平清盛、後白河法皇蜜月期

朝廷での内戦「保元の乱」(1156年)の際、清盛は後白河法皇側につき、後白河法皇側に勝利をもたらす。
以来、清盛は後白河法皇をバックに権力を強めた。
清盛は後白河法皇のために三十三間堂を建てるなどで関係を築き、「平家にあらずんば人にあらず」というほどの全盛期を迎える。
その時期、朝廷と深くつながりたい清盛と、清盛の力を利用したい後白河法皇の思惑が一致し、清盛と後白河法皇は血縁関係を強めていく。

●清盛の妻・時子の異母妹・平滋子は後白河法皇の后に。
●平滋子と後白河法皇の子は高倉天皇。
●清盛の娘・徳子は高倉天皇の后に。

平清盛、後白河法皇敵対期

平清盛の隆盛が極まると、後白河法皇はじめ朝廷勢力は不快感を抱くようになる。
2人の間を取り持っていた後白河法皇の妻・平滋子(建春門院)が亡くなると、溝が明らかとなり対立関係になっていった。

後白河法皇側が平氏打倒を計画するが、事前に漏れる事件などがあり、清盛は後白河法皇を幽閉するにいたり後白河法皇の権力は消滅した。

その後清盛は後白河法皇の息子で甥の高倉天皇を譲位させ、その息子を安徳天皇にし、実権を握った。
清盛の娘・徳子は天皇の母となった。

平清盛 vs. 後白河法皇の皇子&源氏期

後白河法皇の皇子らと反平氏勢が挙兵する。

平氏劣勢のなか、1181年清盛が病死、また高倉天皇も病死する。
徳子が「建礼門院」となるのは、この時。

源平の三大合戦

清盛の死後、源平の三大合戦で平氏は滅びる。
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1184年 一の谷の合戦
1185年 屋島合戦
壇の浦の戦い
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壇の浦の戦いで、生き残ったのが徳子(建礼門院)。
尼となり寂光院に入り真如覚比丘尼として平家一門と我が子・安徳天皇の菩提を弔いながら過ごした。

後白河法皇の「大原御幸」

『平家物語』では、後白河法皇が寂光院に建礼門院を訪ねる。

しかし。『平家物語』は史実をベースにはしているが作り話も多いと考えられており、「大原御幸」もその一つと考えられている。

寂光院はいつ建立されたか

寂光院は、飛鳥時代の594年に聖徳太子が建てたと伝えられている。
尼寺で、初代の住職は聖徳太子の乳母だった慧善比丘尼(えぜんびくに)。
3代目が建礼門院。

寂光院のみどころ

寂光院は2000(平成12)年に火災により本堂、本尊の地蔵菩薩、建礼門院像などを焼失した。
現在の本堂、本尊は2005年に再建、修復されたもの。

戦国時代に廃れたが、江戸時代に豊臣秀頼や淀君、徳川家康らによって再興されていた。

本堂前庭園

建礼門院と訪ねてきた後白河法皇が対面した場所。
桜(汀の桜)と松(姫小松)がある。

四方正面の池

四方のどこから見ても正面となるように、周りに植栽が施されている。

建礼門院徳子 御庵室跡

建礼門院が過ごしたと伝えられている庵跡。
近くに建礼門院が使ったといわれる井戸がある。

建礼門院徳子 大原西陵

建礼門院の墓所と伝えられる。
五輪塔が祀られている。


重要文化財

旧本尊(火災による損傷が修復されたもの。収蔵庫に安置)

宗派

天台宗

日本のおもな宗派

密教系天台宗
真言宗
浄土宗系浄土宗
浄土真宗
日蓮宗
禅宗系臨済宗
曹洞宗
黄檗宗

寂光院ホームページ

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